
「大魔境 」
作者から読者へ
「のび太の大魔境」は、大長編ドラえもんの第3弾で、劇場版用アニメ映画の原作です。
この物語の舞台は現代の地球、アフリカ奥地の大魔境です。そこにある巨神像の秘密をときあかすため、ドラえもんと仲間たちが、大冒険の旅に出かけます。でも今回は、あまり秘密道具にたよらず、自分の力で謎に挑戦するのです。
さあ、みなさんも、ドラえもんたちといっしょに、スリルいっぱいの旅に出かけてみましょう!
藤子F先生、ありがとうございました。
あらすじ
世界各地の謎が、解き明かされていくことを嘆く、ジャイアンスネ夫。自分達も、誰も知らぬ秘境で、大冒険がしたい!!その熱い思いを、ドラえもんに叶えるよう、のび太に命じる。いつもの無茶ぶりに困るのび太だが、薄汚れた犬に遭遇。不思議なその犬は、のび太達を、大冒険へと誘う。
大雑把な感想
メンバーが活き活きしている。藤子F先生の、歓喜の声が聞こえてくるようでした。解説役にスネ夫、大逆転にしずちゃん、裏の主人公としてジャイアンを配置して、見事に個性を活かしていました。
漢だぜ、ジャイアン。いわゆる「劇場版ジャイアン」映画になると、いい奴になるってヤツ。最初、声優を務めた・たてかべ和也さんは、「(ジャイアンが)つまらない奴になった」と、不満だったようですが、回を重ねるにつれて、「こういうのも悪くない」と思うようになったそうです。特別感があって、いいですよね。
これまで、のび太のみと交流することが多かったゲストが、ジャイアントも交流していたのが印象深かったです。一人思い悩むジャイアンを、慰めるペコ…名シーン。
映画初登場キャラ。まず、いつも置いてけぼり・出木杉参戦!!のび太達のやる気をそいで、ペコに怒られたり、魔境の存在を、のび太に教えてくれました。…誘ってやれよ。次に神成さん・初登場!珍しく、奥さんも登場します。
敵
今回は内乱ということで、ペコから王位を奪った大臣「ダブランダー」がボス。悪知恵が働く上に、用心深い人物。こういう策略家なボスは、多い。
やっぱこれだね♪秘密道具
・自家用衛星
はるか上空から写真を撮影し、データを送り、写真にしてくれる。リメイク版で、打ち上げ時に「オワァー」と謎の声を聞いたのは、私だけでしょうか。
・さかのぼりボート
ゲームマスター如く、種明かしをしたペコ(クンタック王子)に、「なんかいい道具、あるんでしょう?」と頼られたドラえもんが出した道具。鯉の姿をしており、流れが急なほど、スピードが出る。ボート系の道具も、結構多い。
・秘剣電光丸
「名刀電光丸」だったり、名前がコロコロ変わる刀。バッテリー式で、エネルギーがある内は、剣豪如き剣術を繰り出せるが、なくなるとただの刀になる。「ショックガン」に「空気砲」など、遠距離武器が多いので、珍しい。
推し!名場面
「これ以上、迷惑をかけられない」、と一人軍勢に立ち向かうペコ。加勢するジャイアン、揉める二人。互いの気持ちをぶつけ、意気投合し、そこにのび太、ドラえもん、しずちゃんも、加勢する。二人は反対するが、爆炎の中スネ夫も現れ、皆で力を合わせる。一連のやり取りに、一切台詞がなくて、それが粋で大好きなシーンです。
大切だから遠ざけるのではなく、大切だから一緒に居たい。
フフフなしずちゃん
活躍は少なめですが、終盤にて「先取り約束機」を使い、未来の自分達に救援を頼むという、超ファインプレーを見せる。最初にピンチになった自分達を、誰が助けに来るのかは、不明ですが…最後の自分達が、助けに来るのでしょうか。
最後はやっぱり、お風呂に入る。体を洗ってもらったり、マッサージをしてもらう、王宮スタイルは、合わなかったみたい。
ゲストを語ろう

もしかしたら、妃になってた⁉「スピアナ姫」
真っ白な毛並みの美しい姫。彼女には、ダブランダーもウットリ。クンタック王子は、死んだと聞かされても、彼を思いながらダブランダーを拒絶する、その健気なところが好きだ。とはいえ、妃になるのも時間の問題だったと思います。間に合って良かった。
※光の演出の為に、あえて灰色で塗っております。