
鉄人兵団
作者から読者へ
アニメ映画原作、大長編ドラえもんシリーズも7作め。わたしのライフワークともいうべき「ドラえもん」の、新たなる冒険がスタートします。
人間をどれいにするために地球に攻め入る鉄人兵団を相手に、力をあわせて戦うのび太と仲間たち。そんな戦いの中での、子どもたちの勇気と友情を、心をこめて描きました。
藤子F先生、ありがとうございました。
あらすじ
スネ夫にロボットを自慢され、ドラえもんが居るのに、巨大なロボットを欲しがるのび太。その願いに応えるかのように、巨大ロボットのパーツが、空から降って来る。早速組み立て、遊ぶのび太達だが、ロボットには恐ろしい兵器が内蔵されていた。ロボットを封印することにした、のび太だったが美少女・リルルに、秘密がバレてしまう。
大雑把な感想
しずちゃん、大活躍 声優変更前でも、20作以上ある「映画ドラえもん」。その中でも、未だ根強い人気を誇るこの作品。正直、リメイク版より旧作が好き。
鏡の世界は、難しい 左右反転した、無人の不思議な世界。描くのも大変で、左右反転していないコマや、ちゃんとBOOKと記載されている本屋の袋など、チラホラあります。また、無人なのに商品の入れ替えとかどうなっているのでしょうね。不思議な部分あっての、ロマン溢れる世界でした。ミラーモンスターは、出さないで!!!
策士・ドラえもん 作戦を一人で立案し、実行する、正にドラえもんVS鉄人兵団。大長編史上、一番賢いドラえもんだったと思います。安心感が大きい。
ミクロス スネ夫のロボット。ロボットは主に似るっていうのは、のび太の言葉。ドジでお調子乗り、そんなところが人間臭くて、ユニークである。主のスネ夫より、しずちゃんと一緒にいる場面の方が多いのは、気にしゃちゃダメなんDA!
ドラえもんと、しずちゃんが活躍する為、のび太の影が薄いですが、下心もあったとはいえ、リルルに歩み寄ったり、彼女を撃てなくて、悩んだり、要所要所で活躍していました。ジャイスネは、ネタ要員でしたね。
わがままで、自分勝手な人間に嫌気が刺して、ロボットを作ったのに、同じように導いてしまった博士ェ…ただ、時間が足りなかったで、良かったと思う。競争本能だけでは、理想郷は作れません。理想郷なんて、どこにもないのだ。
人間奴隷作戦
子供が生まれるのにも、一人前に成長するのにも時間がかかり(ロボットなら、完全体をすぐ量産できる)
すぐ体を壊し(ロボットなら、パーツを交換できる)
何度もミスをする(ロボットなら、プログラムさえちゃんとしてれば、ミスはない)
そんな人間を奴隷にしても、何も良いことはないと思うのですが。姿だけ知っていて、生態は知らなかったのですかね。え⁉人間て、大人になるのに20年もかかるの!?生産性悪!!とか驚いてそう。
すぐに、「ロボットの方がいいな」って思いますよ。ペットや見せ物にして、俺達よりも、下の存在が居るのだ、と笑い物にするのでしょうか。
敵
大長編ドラえもん、数多く存在する敵組織の中でも、最強と名高い「鉄人兵団」が相手。戦闘では話にならず、過去改変というチート技で、攻略せざるを得なかった。これだけ聞いても、規格外の戦力であることは、分かって頂けるだろう。
やっぱこれだね♪秘密道具
・鏡世界入り込みオイル
「鏡の世界」を行き来する「入り込み鏡」の能力を、水に与えることが出来る道具。しずちゃんを巻き込みたくない、と言いながらしずちゃんのお風呂に、仕掛けるのび太君…彼女が、一糸まとわぬ姿でやってくることが、狙いだったのだろうか…
いやいや、あんな緊急事態に、そんなことね。
・改良型やまびこ山
声が跳ね返って来る「やまびこ」、それが攻撃まで跳ね返せるとしたら…
各地に設置することで、人間が反撃をしていると思わせたり、ドラえもん達の戦力が膨大であるように、錯覚させる。力には力、戦争って悲しいね。
・瞬間接着銃
今回初登場。「ガンツ」に出てくるYガン、「ワールドトリガー」鉛弾、みたいな殺傷性は低いが、行動を抑制する珍しい武器。発射後、すぐに固まるので、喰らったら脱出は困難である。…こんなの喰らいたくねーや。
推し!名場面
自分を吹き飛ばした、リルルを看病するしずちゃん。戸惑い、理由を尋ねるリルルに、
「ときどき、理屈に合わないことをするのが、人間なのよ」
あーた、人間何週目ですか。小学校高学年とは、思えない貫禄。やっぱり、今回に限っては、主役はしずちゃんですね。題名は、「しずちゃんとリルル」です。
フフフなしずちゃん
今回は、リルルが要員となっていたので、控えめでしたが、助けに来たのび太に抱きついたり、リルルを諭したり、大逆転劇を起こしたり、主人公してました。
ゲストを語ろう

ペッで有名⁉アンドロイド少女・リルル
地球に前線基地を作る為、送られてきた工事用ロボット・ジュド(ドラえもん達が勝手に、ザンダクロスと命名)と合流を図る。地球人を油断させるため、感づかれない為、人間そっくりな姿をしているが、中身は完全にロボット。空を飛んでいても、のび太君は、不思議な外国人としか思わなかった(おいおい…)
祖国メカトピアこそ至高、ロボットは何者よりも偉い、人間は支配されて当然!と考えていましたが、しずちゃんとの交流で、考えを改め始める。
処刑覚悟で、上司に作戦中止を訴えたり、自分が消えることを覚悟で、ロボットを製造し、生まれ変わってもまた、友達になってと、呟きながら消える場面は、何度見ても泣けます。
後の作品にて、薬を飲んだフリをした後輩・アブジルが出てくるため、彼女の行動を模倣したのでは?と考えるファンが、存在します。
アニメ版での、薬をぺッてしてからのスマイルがいいんだよなぁ。味方に真実を伝えに行くのか、人間奴隷作戦の中止を呼び掛けるのか、どちらなのかって…