絶対に日焼けしたくない私は、日焼け止めをストックしているの。
だが、ストックしていた日焼け止めを、海に出かけた弟が、皆持って行っちゃった。
(あいつ、帰ってきたら覚えとけよ…)
私は、肌が弱い。いくつか日焼け止めを試したが、いつもストックしている、日焼け止めでないとダメなのだ。
今日は、超人気俳優・皆賀星輝のイベントに行く、と~っても大事な日。日焼けなんかして、台無しになってたまるもんですか。
真っ黒な、不審者みたいな格好になっちゃったけど、焼けるよりはマシね。
急いで、バス停へと向かった。
私は、ガードマン・隙間ウメル。どんなことがあっても、対象を守るのが、ガードマンの仕事だ。この間まで、宝石や骨とう品を守る、美術館警備をしていたが、運悪く何度も怪盗や泥棒に出くわしてしまい、対象を守れなかった為、クビになってしまった…
しかーし、対象が人間であれば、私が失敗することはない。何故ならば、人間が盗まれることは、あり得ないからだ。心は、盗まれるかもしれないが、ね!!
先輩の話では、超一流芸能人である皆賀星輝には、悪質なストーカーが居るらしい。真っ黒な格好をして、如何にも怪しい人物だ。だが、怪盗や泥棒より、戦闘能力は低いだろうから、大丈夫だ。
「皆賀さん、あなたの安全は、私達が…いや、私が必ず御守いたします。」
「あーありがとう、皆に感謝。いや、感謝感謝感謝。うんまっさら!!ぼくチンは、新しい赤い恰好で対抗するぜ、ゴーゴーゴー!!」
私は、複雑な気持ちになった。うんまっさら、うんまっさら、うんまっさらってなんだ?
「イベント開始、一時間前に会場に到着しているのが、ファンとしての常識である。」
この嘘つきがぁ、とヒマワリは、スマホを握り潰した。え、えぇ、握り潰した!?
「私は、混雑を見越して、一時間の一時間前の、二時間前に現場に来たのに、なのにどうして混雑しているわけ?どうなってんのよ!!もう!」
そして、カバンからスマホを取り出した。よし、充電は満タンである。さっき壊したスマホは…彼女の弟の物だったようだ。
「こちらウメル、異常なし。いや、今のは嘘だ、取り消してくれ、異常ありだ。写真の女を見つけた。ひーふーみー、八人も居る。いや待ってくれ、一人の間違いだ。八人も居ない…」
あやふやな連絡をするウメル。だが、これには理由があった。
「頼むから、その変なレンズを、俺にかけないでくれ、視界がぼやける」
ウメルは、全身真っ黄色な格好の女に、そう頼んだ。
「ほーい」
ウメルと女は、知り合いではない。だが、黒い服ではなかったので、信用した。え⁉
続く
皆さま、どうもすいません。この前、手違いで途中までしか、出来ていないものが、投稿されていたようです。申し訳ない。最近忙しくて、バタバタしている影響です。
これからも、応援よろしくお願いします。ありがとう!!!